【台北=共同】台湾の最大野党、国民党の馬英九前総統は29日、中国江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」を参観し、中台の報道陣に「われわれ中国人は大虐殺から教訓をくみ取り、外国からの侮辱に対して勇敢に抵抗しなければならない」と述べた。馬氏は香港生まれの外省人(中国大陸出身者)2世。

台湾の国立政治大が台湾住民を対象に実施した世論調査では、自分を「台湾人」と答えた人は63.3%で、「中国人」との回答は2.7%。馬氏の「われわれ中国人」との発言は台湾世論とのずれを浮き彫りにした。

馬氏は参観後に「人類史上まれな、けだものの行為に大きな衝撃を受けた」と述べた。中国が台湾に対する武力統一に言及していることについては「両岸(中台)双方が戦争を避けなければならない」と述べた。

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