会社員や公務員などの厚生年金加入者の場合は、就職してから
退職するまでの収入のすべてがわからないと正確には計算できないので、
試算自体が難しいのですが、今回は、ざっくりと標準報酬月額35万円
(年収420万円程度)で40年間働いた人の保険料と年金額を試算することにします。

保険料は、自己負担額が毎月31,110円になるので、保険料の総額は、

31,110円×12ヶ月×40年=14,932,800円となります。
自営業者の2倍近く支払うことになるんですね。

一方、65歳から受け取れる年金額は、
・老齢厚生年金920,808円
・老齢基礎年金781,700円
合計 1,702,508円(配偶者の加給年金等は含まず)となります。

では、何年受け取ると保険料総額の元が取れるのかを計算してみましょう。

14,932,800円÷1,702,508円≒8.77年

つまり、約9年(74歳まで)受け取ると元が取れるという計算になります。
18年(83歳まで)受け取れば、保険料総額の2倍の年金を
受け取ったことになるわけです。さらに、専業主婦の妻がいた場合は、
妻の老齢基礎年金(満額で781,700円)も保険料の負担なく
受け取れるわけですから、それも考慮すると、

14,932,800円÷2,484,208円≒6.01年となります。

つまり、たった6年(71歳まで)受け取ると元が取れるのです。12年
(77歳まで)受け取れば、保険料総額の2倍を受け取ったことになります。
国民年金の場合と同様に、20歳から85歳までの利回り計算をすると、
年率3%強の複利運用に相当します。