5日午前8時45分ごろ、長野市の善光寺で本堂に安置されていた「びんずる尊者像」がなくなった、と110番があった。長野県警は約2時間半後、60キロほど離れた松本市を車で移動していた男性を呼び止めて職務質問し、車内から像を発見した。

車を運転していた熊本県内の職業不詳、森本晋太郎容疑者(34)を窃盗容疑で緊急逮捕した。

逮捕容疑は5日午前8時から同35分ごろ、善光寺本堂でびんずる尊者像を盗んだ、としている。森本容疑者は容疑を認めているといい、県警は動機などを調べている。像に目立った損傷はなかったという。

この像は国宝となっている善光寺本堂の入り口のそばで、台の上に置かれていた。善光寺では毎年1月、この像を本堂内で引き回して1年の無病息災を願う「びんずる回し」の行事が営まれている。

 寺は今後、警備体制を強化した上で再び同じ場所に像を安置する方針だ。善光寺の林明晋寺務総長は「(像は)大変、信仰を集めているので非常に悲しい思いだ」と述べた。【鈴木英世、田倉直彦】

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