牛の首にセンサー、発情を逃さない授精で収益アップに 京都の高校が最高賞
2023年4月6日 12:05

 京都府南丹市園部町の農芸高は、「全国農業高校・農業大学校デジタルコンテスト」で最高賞に輝いた。センサーで牛の発情を的確に捉えて人工授精し、効率よく子牛を産ませて収益向上につなげるなど、多くの畜産農家にとって参考となる試みが評価された。

 慶応義塾大学SFC研究所アグリプラットフォームコンソーシアムが主催。情報通信技術(ICT)を使った「スマート農業部門」に初めて応募し、「農林水産技術会議会長賞」に輝いた。

 農芸高の生徒たちは、収益向上と省力化の重要性に着目した。ICTを積極的に導入し、得られた成果の府内農家への還元を目指している。

 牛の首にセンサーを装着する取り組みでは、首振りや反すうの回数などから発情の傾向を人工知能(AI)が判断。発情を逃さずに授精できたため、牛の腹に赤ちゃんがいない状態を指す「空胎」の日数が減り、年間の収益に換算すると90万円の増収効果があった。

 ゲノム(遺伝情報)解析も推進。子牛の将来の乳量などを数値化して優秀な牛を生産し、経営改善に役立てている。

 3年加藤佐和子さん(17)は「先輩の代から取り組んできたことが表彰され、うれしい。畜産の新しい取り組みを知ってもらえた」とし、3年佐々木理来さん(17)は「畜産農家の未来を開く取り組みになった」と手応えを口にした。

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https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1001175