札幌駅から6キロほど離れた住宅街に、白壁の市営住宅が建つ。この場所が将来、世界の注目を浴びることになるかもしれない。

 札幌市豊平区の月寒団地。市が招致をめざす2030年の冬季五輪・パラリンピックで「選手村」の建設計画地となっている団地だ。

 この話を聞いたとき、ふと思い出した。

 21年の東京五輪・パラリンピックで、新国立競技場建設のため、隣接する都営住宅の住民が立ち退きを強いられたことだ。

 札幌で五輪が開かれたら、月寒団地の住民はどうなってしまうのか。現場を訪ねた。

 市中心部から地下鉄で約10分の月寒中央駅を下りて10分弱歩くと、団地群が目に入ってくる。

家族のような住民「バラバラに」

 住宅街に4~5階建ての31…

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR455GV9R3MIIPE00N.html