沖縄県・宮古島周辺で6日、10人が乗った陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故で、8日も続けられた捜索は難航を極めている。

ヘリに第8師団(熊本市)の坂本雄一師団長(55)のほか、幹部7人も同乗していたことについて、関係者は理解を示す一方、多くの幹部が不在となった部隊への影響を心配する声が上がった。

「ヘッドの師団長がいない上に、この人数の幹部が一度に不在になるのは、戦争でも起きない限り起こりえない事態だと思う」

ヘリを運用する第8師団第8飛行隊などが所属する 高遊原たかゆうばる 分屯地(熊本県益城町)の支援者らでつくる「高遊原・航空隊協力会」会長で、
陸自OBの宮崎金次さん(76)は、事故の衝撃の大きさをそう表現した。

さらに、「重要な地域の防衛を目的とする部隊で、態勢の立て直しが急務だ」と指摘した。

同会顧問の坂本俊治さん(75)も「隊員も心配しているだろうが、与えられた任務に 邁進まいしん するのが自衛官。
上級部隊が補充を考えているだろうし、ずっと影響を引きずることはないだろう」と語った。

一方、幹部8人が1機に同乗していたことについて、宮崎さんは「航空偵察の目的が、作戦を検討する上でトップと幹部の認識を共通のものにすることならあり得ること。
できることなら複数機に分乗すべきだったかもしれないが、批判はできない」と理解を示した。

坂本さんも「搭乗した第8飛行隊員には幹部もいた。師団長が搭乗するヘリの運用には、経験豊富で優れた人材を当てるのは当然だし、おかしな運用だとは思わない」と語った。