【独自】 山上被告の「父親代わり」 弁護士資格を持つ伯父が語る 「梅雨のころ接見に行ければ…」 安倍元首相銃撃事件 「次の天命は暴力ではないやり方で探しなさい」と言いたい

 安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人や銃刀法違反、武器等製造法違反などの罪で起訴された山上徹也被告。今は裁判の開始を待っています。4歳の時に父親をなくした山上被告を、父親代わりにみてきた親族がいます。弁護士の資格を持つ伯父です。特に、事件があった2022年7月8日以降は、さまざまな形で山上被告や家族に関わってきました。「近く勾留されている徹也に会いに行こうと思う」。そう話す伯父は、思いをつづった5枚のメモをもとに、記者に現在の心境を語りました。

 関西のとある閑静な住宅街。暖かな春の日差しの下で咲くソメイヨシノにはたくさんの鳥が集まっています。「ウチの庭にはたくさんの野鳥が来ますよ。四季を感じられるようにサザンカや寒ツバキ、桜などを植えて50年近く手入れを続けています。自然はとても面白いですよ…」。山上被告も幼い頃に見ていた庭を眺めながら、伯父はこう事件について振り返ります。

 「荷物まとめて、すぐに母親と一緒にタクシー乗ってうちに来なさい…」。事件当日、ニュースで事件を知った伯父は、すぐに被告の妹に、こう電話をしました。それ以来、伯父はメディア取材のために自宅に帰れなかった被告の母親に、約1カ月間にわたり自宅の部屋を提供したり、事件でショックを受けた被告の妹と連絡を取り合ったりしました。

 伯父は、逮捕された山上被告に、彼が好きな日本史の書籍やマンガの他、英検など資格取得のための参考書などの差し入れを始めました。伯父が直接被告と接見したり手紙をやり取りしたりすることはなかったといいますが、被告と連絡を取り合う妹を通じて要望を聞き、時には百貨店で購入した衣類を差し入れすることもあったといいます。

 記者が伯父の家を訪れると、そこには大阪拘置所から大量の段ボールが届いていました。「徹也の元には全国から大量の差し入れが届けられました。100万円を超える現金の差し入れもあったと聞いています。余った洋服や食品はうちに送られてきて、お菓子などは食べきれないので老人会で配ったり、徹也の意向で児童施設に送ったりしましたよ」と伯父は語ります。全国から被告の元に届いた大量の差し入れのうち、本人が受け取り切れないものが送られてきたのです。記者がのぞいた段ボールの中には、大量の靴下やシャツが入っていました。

 また捜査を行う検察官を家に呼び、事件の背景について説明することもあったといいます。被告の母親がかつて旧統一教会に1億円以上の献金をしたこと、被告が2005年に自殺未遂を図ったこと、その後、2014年までに伯父自身が教会から5000万円を取り戻したこと。山上家と旧統一教会の間で起きたさまざまな事柄について、検察官に説明や資料提供を行いました。伯父は「法曹にいた者としての責務ですよ」と話します。
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