「マイクロアグレッション」という概念について取り上げます。マイクロアグレッションとは、「小さな攻撃性」という意味です。相手を差別したり、傷つけたりする意図はないのに、相手の心に影を落とすような言動をしてしまうことを言い表します。

たとえば、こんな言葉をかけてしまうことありませんか?

・外国の方ですか? 日本語がお上手ですね!

・女性なのにそこまで出世して凄い!

・ゲイの方って才能が豊かな方が多いですよね!

一見すると、褒め言葉や個性を評価しているような発言でも、かけられた側からすれば「もしかして馬鹿にされているのかな?」と思ってしまいます。マイクロアグレッションによくみられるケースです。

見た目が外国出身の人でも、もう何十年も日本に住んでいる人もいるでしょうし、生まれ育ちが日本という人も多いはずです。そこには「こんな見た目の人が、日本語が上手なはずがない」という思い込みが隠れています。
出世した女性が珍しがられるのは、男性優位の社会構造がすでにあるからです。ゲイの方がみな才能豊かなのではないですし、自らの性的指向を公にせずに暮らしている人も世の中にたくさんいることに気づいていないだけです。

マイクロアグレッションについて、 人権教育や多文化共生を研究する、大東文化大学文学部教授の渡辺雅之さんはこのように話します。

https://www.tbsradio.jp/articles/55576/