「シン・仮面ライダー」
とっちらかった特殊効果のてんこもりはあたかもわざと印象を散漫にしようとしているのかのよう。
物語はかなり雑でついていくのに苦労する。嵐のごとく大量に登場するキャラクターはまあオタクの観客に
とっては一般人の思う以上にたぶん意味があるんだろう。
本作は、パロディに徹しているときには最高のパフォーマンスを見せる。だが、それだけで二時間の尺がもっ
ているかといえばあやしい。他にも、体臭に対する監督のこだわりが偏執的かつ幼稚に描かれたりもする。
クライマックスに、特別印象的なプロレスシーンがあった。初老のオタク監督は、客を喜ばせるよりもスタッフを
凹ませるほうが得意らしい。