妊娠中の母親が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染すると、早産などのリスクが上昇することが知られていますが、胎児まで新型コロナウイルスに感染する事例はまれです。ところが、妊娠後期に新型コロナウイルスに感染した母親から生まれた赤ちゃんに、ウイルスの影響とみられる脳の損傷が確認された2つの症例が報告されました。

妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、高血圧などの症状が現れる子癇前症(しかんぜんしょう)や早産のリスクが上昇することが知られています。また、まれにではあるものの子宮内で胎児が新型コロナウイルスに感染するケースも確認されていますが、ほとんどのケースで赤ちゃんの予後は良好であることもわかっています。

ところが、マイアミ大学ヘルスシステムなどの研究者らが報告した2つの症例では、母親の胎盤を通じて胎児が新型コロナウイルスに感染し、脳の損傷が引き起こされてしまったことが確認されました。マイアミ大学ミラー医学部の小児科教授であるShahnaz Duara氏は、「妊娠中にCOVID-19の影響を受ける女性は大勢いますが、出産時の乳児にこのような問題が見られるのは明らかに異常でした」と述べています。

https://gigazine.net/news/20230411-covid-19-pregnancy-brain-damage-fetuses/