フランス年金改革法案、マクロン大統領が署名 支給開始年齢64歳に引き上げ

国民の抗議が続く事態を受け、マクロン大統領には対話の用意があると政府は主張していたが、大統領は15日、年金制度改革法案に署名・成立させた。オリヴィエ・デュソプト労働相は、9月初めには制度改革が実施されるだろうと話している。

マクロン大統領が進める年金制度改革について、政府は3月、関連法案を議会下院で採決せず、無投票で採択した。これについて野党が反発し、法律の合憲性を判断する憲法院(裁判官9人)に審査を委ねていた。

憲法院は14日、この法案について大部分を合憲と判断した。従業員1000人以上の企業に55歳超の雇用促進を求めるなどの改革案は、認めなかった。野党の左派勢力は改革案に対する国民投票の実施を求め、2件の申し立てを憲法院に提出していた。このうち1件はこの日に却下されたが、別の1件については来月初めに引き続き検討するという。

マクロン大統領は、年金制度の維持に改革は不可欠だと主張。エリザベット・ボルヌ首相は14日夜、「この夜、勝者はいないし敗者もいない」とツイートした。

デュソプト労働相は、年金支給開始年齢の引き上げに伴う高齢者の経済状態への懸念を払しょくするため、50歳以上の就業率を引き上げる対策をとると公約している。

https://www.bbc.com/japanese/65284023