「生きていてもいいんだと思えるようになった」

 えまさんは「誕生日を祝ってくれた」ことが何よりうれしかったと振り返る。

「だって、誕生日がおめでたいだなんて思ったことがなかったから」

 実はこの言葉、コラボを取材する過程で幾度も耳にした。街を徘徊し、絶望の底にいるときコラボと出会った少女たちは、一様に同じことを口にする。

「誕生日って、生まれてきたことを恥じる日だと思い込んできた。親に祝ってもらったことなど一度もなかったし、
今年も生きてしまったなあと暗い気持ちになるだけでした」

 仁藤さんは仲間や保護した少女たちの誕生日をすべて記録している。必ず祝う。そして「一緒に生きていこうね」と声をかける。

「だから生きていこうと思う。コラボはそんな気持ちにさせてくれた」