誰もいないはずなのに何かの気配が。不可解な謎の存在感についての科学

謎の気配に関する史上最大の研究

 1894年、自分しかいないはずの部屋で感じる謎の気配について扱ったこれまでで最大の研究の1つが行われた。

 それはケンブリッジ大学の研究者が立ち上げた「心霊現象研究協会(Society for Psychical Research)」によるもので、英国・米国・ヨーロッパで暮らす1万7,000人以上を対象に、何者かの気配を感じた経験について調査した。

 『Census of Hallucinations(幻覚の国勢調査)』と題されたその調査の目的は、まるで死者の霊がそばにいるかのような不可解な気配を感じた経験が、どのくらいの人に起きているのか明らかにすることだった。

 すると、想像以上に多くの人が「謎の気配」を感じていることが判明した。調査対象者の43人に1人がそれを経験していたのだ。

謎の気配に助けられた人も

 さらに心霊現象研究協会は『Phantasms of the Living(生者の幻影)』を出版。 この本では、超常現象や心霊現象に関連する目撃証言や体験談を701件も収録し、潜在的な心理要因などが分析されている。

 たとえば、英国人牧師P・H・ニューナム牧師は、ニュージーランドを訪れた際、夜中に気配を感じて、船に乗らないよう警告されたため、翌朝の船旅を取りやめたと語っている。後日、彼はその船の乗客全員が溺死したことを知ったという。

謎の気配は眠っている人に忍び寄る!?

 アルダーソン=デイ氏によれば、心霊現象研究協会が集めた証言の多くは、「ヒプナゴジア(入眠時幻覚)」を思わせるものだという。
 ヒプナゴジアは、覚醒から睡眠状態への移行(入眠)時における半覚醒状態のことで。このとき、幻覚や幻聴などの現象が起こることがある。

 たとえば、よく知られているのは、ふと目が覚めると体がまったく動かない「金縛り」だ。これは「睡眠麻痺」とも呼ばれ、成人の約7%が一生のうちに一度は経験するという。

 この現象は何者かの気配ともよく関係しており、金縛りを体験した50%以上の人が”何者かの存在”を感じたとの報告もあるそうだ。

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