訪中のドイツ外相 中国側に対し台湾情勢を重視する姿勢示す
2023年4月15日 5時43分

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中国を訪問したドイツのベアボック外相は「一方的で暴力的な現状変更は受け入れがたい」と述べ、中国が台湾に軍事的圧力を強めていることに懸念を示しました。フランスのマクロン大統領が、ヨーロッパは台湾をめぐる米中対立から距離を置くべきだという考えを示し波紋が広がる中、台湾情勢を重視する姿勢を示した形です。
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ドイツのベアボック外相は14日、北京で秦剛外相と会談した後、共同会見を行いました。
ベアボック外相は台湾有事が起きれば世界に大きな影響が出るとして「一方的で暴力的な現状変更はヨーロッパ人として受け入れがたい」と述べ、中国が台湾に軍事的圧力を強めていることに懸念を示しました。また「中国で人権が抑え込まれていることを懸念している」とも述べました。
台湾情勢を巡っては先に中国を訪れたフランスのマクロン大統領が、ヨーロッパは台湾をめぐる米中対立から距離を置くべきだという考えを示し波紋が広がっています。
このためベアボック外相の発言が注目されていましたが、ヨーロッパとして台湾情勢を重視する姿勢を示した形です。
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これに対し秦外相は「台湾は中国の台湾だ。中国の領土は一寸たりとも欠くことはできない」と反発する一方で、経済協力を中心にドイツとの関係を強化する考えを示しました。
中国としてはアメリカとの対立が続くなか、ドイツを重視する立場を示すことでアメリカと各国の間にくさびを打ち込む思惑があるとみられます。
中国 秦剛外相「紛争当事者に武器を提供することはない」
中国の秦剛外相はドイツのベアボック外相との共同会見で、ウクライナ情勢をめぐって「われわれの主張は和平交渉を促すという一点に集約される」と強調しました。
そのうえで、欧米各国が懸念を示しているロシアへの軍事支援については「中国は慎重かつ責任ある姿勢をとっており、紛争当事者に武器を提供することはない」と述べ、反発しました。
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