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英国で平均寿命が伸びない理由...「集団自決」などなくても長生きできない厳しい現実とは?

食品インフレ率の上昇に最も貢献したのはパンとシリアルで、平均19.4%も上昇。最新の世論・社会動向調査によると、成人の半数以上(51%)が食品の買い物をする時、購入量を減らしている。成人の約4人に1人(26%)が過去2週間に食料必需品の不足を経験、ちょうど1年前の16%を大きく上回った。

食費節約のために53%の成人が「より安い食品を買う」、26%が「缶詰や賞味期限の長い食品を多く買う」、21%が「賞味期限の過ぎた食品を食べる」と回答。16%が食事の量を減らしたり、食事を抜いたりしており、中等度から重度の抑うつ症状を持つ人で42%、リタイア前の非就業・非求職者で35%、イングランドで最貧困地域に住む人で31%に達していた。

「ロンドンの高級住宅街ケンジントンからニュークロスゲートまで、わずか10キロメートル離れただけで、男性の平均寿命は92歳から74歳へと実に18年も短くなる」と同誌は指摘する。問題は高齢者だけではない。若年層と中年層の死亡率も上昇しており、30~49歳の死亡率は12年ごろから着実に上がっている。