米中央軍は4日、シリアで3日に軍事作戦を実行し、過激派組織「イスラム国(ISIS)」の幹部を殺害したと発表した。

殺害されたハリド・アイード・アフマド・ジャブリ幹部は欧州への攻撃を計画していたほか、ISISの指導体制を整備したという。

イスラム国は、その勢力がピークだった2014年には、イラクとシリアの一部を事実上支配していたが、その後は勢いが衰えた。国連が2月に公表した報告書によると、現在はシリアとイラクで5000─7000人のメンバーや支持者がおり、およそ半数が戦闘員だという。

米中央軍は今回の攻撃で民間人の死傷者はいないと説明。ISISについては「引き続き脅威」としている。

「勢力が後退したとはいえ、ISISはなお、域内で作戦を実行する能力を保持し、中東以外の場所を攻撃することを望んでいる」とした上で、幹部死亡で「攻撃計画能力が一時的にそがれた」と分析した。

国連の報告書は、イスラム国とその系列組織が世界の平和と安全に対して及ぼす脅威は22年下半期に甚大で、組織が活動する紛争地帯とその周辺で脅威は高まったと指摘している。

イスラム国は昨年末、アブフセイン・フセイニ・クラシ氏を新指導者に指名したと発表した。前の指導者はシリア南部で殺害された。

https://jp.reuters.com/article/us-military-is-syria-idJPKBN2W107T