日本人の視点から期待すべき前向きな展開があるとすれば、
活況を呈するインバウンド需要(による人手不足)をきっかけとして国内の雇用・賃金環境がひっ迫し、
最近は海外メディアにまで疑問視されることも多くなった「名目賃金の上がらない日本」のあり方がいよいよ変わることだろうか。

「オーバーツーリズム」のようにインバウンド需要増のもたらす弊害はすでに大きな社会問題になりつつあるが、
それでもなお、外国人観光客の消費行動を通じて日本が外貨を得ていくこの動きは広がりこそすれ、止まることはないだろう。

今すぐ、また将来にわたっても、
日本が能動的に増やせる外貨の獲得経路はもはや旅行収支くらいしかない実情があり、それを忌避するのは国としても得策とは言えない。

短期的な弊害と上手く付き合いながら、あるいは集中的に近い将来のための対策を講じながら国全体で育てていく以外に、
日本に多くの選択肢は残されていないのだ。

https://www.businessinsider.jp/post-269085