長野市の善光寺のびんずる尊者の木像を盗んだとして逮捕された34歳の男性について、検察は25日、不起訴にしました。
捜査関係者によりますと、刑事責任能力に問題があると判断したとみられます。

今月5日の朝、長野市の善光寺の本堂に置かれ、なでることで御利益があるとされている「びんずる尊者」の木像が盗まれました。
およそ2時間半後に60キロほど離れた松本市内の車の中で見つかり、車を運転していた熊本県の34歳の男性が盗みの疑いで逮捕されました。
捜査関係者によりますと、容疑を認めたうえで、
「びんずるに恨みがあった。巌流島に埋めてやろうと思っていた」という趣旨の供述をしていた一方で、
その動機については、「びんずるがいると地震や事件が起きる」などと一部、意味の通らない話をしていたということです。
その後、長野区検察庁が捜査した結果、25日、男性を不起訴にしました。
男性はすでに釈放されているということです。
検察は、不起訴の理由を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、刑事責任能力に問題があると判断したとみられます。
一方、びんずる尊者の像は目立った損傷もなく善光寺に戻り、動かされるなどしたら関係者に即座に通知されるシステムなどを導入して今月10日から寺の本堂で公開されています。

びんずる尊者像盗難 34歳男性不起訴 長野区検
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20230425/1010026343.html