ウクライナ侵攻において、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」は刑務所から凶悪犯をスカウトし、囚人兵士部隊を作った。最前線で6か月戦闘すれば、恩赦が与えられるという条件だ。約5000人が恩赦で解放され、帰国し、殺人事件が相次いでいることが問題になっている。欧米メディアが報じている。

 ワグネルの創設者エフゲニー・ブリゴジン氏が兵士不足を補うため、刑務所にいる殺人犯、強盗犯、マフィアなどをスカウトした。米紙ニューヨーク・ポストは24日、「徴兵された4万人の犯罪者のうち5000人が恩赦で釈放され、帰国し、殺人事件を起こしている」と報じた。また、英紙デイリー・メールは同日、「ウクライナで解放された囚人が帰国し、犯罪の波がロシアを襲っている」と伝えた。

 小隊司令官だったアレクサンドル・マメーエフ容疑者(44)は戦争から帰国し、7歳と8歳の息子たちの前で妻のエカテリーナさんを刺殺した疑いで逮捕された。3人の子供の父親であるセルゲイ・バトゥエフ容疑者(39)は友人のデニス・シュストフさん(41)を絞殺した疑いで逮捕・起訴され、現在裁判中だという。イワン・ロッソマヒン容疑者(28)は村の隣人ユリア・ブイスキーフさん(85)を殺害した疑いで逮捕。ゲオルギー・シウカエフ容疑者(33)はソスラン・ヴァリエフさん(38)を殺害した疑いで逮捕された。

 ほかにも飲み会で友人を刺殺した男、ナイトクラブで火炎放射器を使い火災を起こした男、義理の娘を性的虐待した男、17歳の少女を強姦した男、SNSで知り合った13歳の少女に裸の写真を送らせた男、タクシー運転手と口論になり射殺した男など、多くの犯罪が起きているという。

 デイリー・メール紙は事件の一部について、「被告人がウクライナでの特別軍事作戦の参加者であったため、裁判官が寛大な判決を言い渡した」「被害女性は男が戦争から戻った後、攻撃的になったと言っている」などと伝えている。

https://news.infoseek.co.jp/article/tospo_1023419938276933632/