音声SNSアプリを開発する「Clubhouse」共同創業者ポール・デイヴィソン氏とローハン・セス氏は4月27日、「より小さく、製品中心のチーム」に戻るため、組織を50%以上縮小することを発表しました。

Clubhouseの広報担当者は、影響を受けた従業員の正確な数を明らかにしていません。ただ、昨年10月の時点では約100人の従業員がいたため、ざっと50人ほどが解雇の影響を受けると推測されます。

デイヴィソン氏とセス氏は、「パンデミック後、世界が拡がるにつれ、多くの人がClubhouseで友人をみつけたり、日常生活のなかで(だれかと)長時間の会話を楽しむことも難しくなってきた」と述べ、「世界での役割をみつけるため、この製品は進化する必要がある」としています。

新型コロナのパンデミックで人々が気軽に出歩けなかった頃、急速に人気を獲得したClubhouseは、著名人が続々と利用し始めたこともあり、2021年には40億ドルという評価を受けるまでに急成長しました。しかし、続々と同じようなサービスが現れ、またパンデミックによる巣ごもり生活が緩和されるにつれ人々は社会活動に戻っていくことでClubhouseの勢いは失われてゆきました。

デイヴィソン氏とセス氏は今回の発表で、製品の進化のために「会社をリセットし、より小さな、製品特化のチームにしていく必要がある」と述べ「Clubhouse 2.0」に注力するとしています。

Clubhouseに類似するオーディオ配信サービスは全体的に減速しています。SpotifyはライブオーディオアプリのGreenroomを閉鎖し、Redditも「Reddit Talk」の提供を終了しました。またFacebook Live Audio Roomsも、やはり人気を得ているとは言い難い状況です。たいていの場合、瞬間風速的に人気が高まったバイラルアプリやサービスは、より巨大な企業が類似のサービスを投入してきたりして勢いを削がれ、何割かはそのまま消滅してしまいます。もし生き残ることができたとしても、一度人々の興味が薄れてしまえば、当初の勢いを取り戻すのは至難の業です。

https://www.techno-edge.net/article/2023/04/28/1227.html