福島第一原発 地下の放射線量極めて高い土のう 回収作業不透明
2023年5月1日 5時48分
廃炉が進む福島第一原子力発電所の地下には、放射線量が極めて高い土のうが廃棄物として残されていて、東京電力は今年度中に回収作業を始めたいとしています。ただ、原子力規制委員会からは、作業方法の十分な検証を求められていて、予定どおり進められるかは不透明な状況です。

福島第一原発には、事故対応で発生した汚染水を敷地内にある2つの建物の地下に移した際に、放射性物質を吸着するために入れた「ゼオライト」という物質や、活性炭を含む土のうが、今も残されています。

土のうは、合わせておよそ2850袋、41トンにのぼり、表面の放射線量は最も高いところで1時間あたり4.4シーベルトと、人が2時間ほど近くにいると死に至る極めて高い値が計測されています。

東京電力は、今年度中に回収作業を始めたいとしていて、放射線を遮る効果のある水中で遠隔操作のロボットを使って「ゼオライト」などを集め、ホースで吸い上げて保管容器に移す計画です。

現在、実施計画の審査を受けていて、9月には認可を得たい考えですが、原子力規制委員会からは、一部の作業には人が立ち会うことから、安全性を確保するため現場を模擬した試験を行ったうえで、作業方法を十分検証するよう求められています。

東京電力は、福島県内にある施設で模擬試験を始めていますが、全体の試験を終えるのは夏以降になる見込みで、予定どおり回収作業を進められるかは不透明な状況です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230501/k10014054481000.html