労働組合はなぜ弱体化したのか グーグルや大学生が結成の動き「本気で戦う組合必要」(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
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3月19日、東京駅八重洲地下街の飲食店の一角。チノパンにジャケット姿の青年がエプロン姿の店長に賃上げ要求が記された用紙を手渡した。

「いま1200円の時給ですが、とても見合っていない。物価高騰で生活も苦しいので、当然の対価として賃上げを要求しました」

断固たる決意を示すのは、回転ずしチェーン「スシロー」のヤエチカ店でアルバイトとして働く大学2年生のAさんだ。埼玉の別店舗で働く大学生Bさんらとともに昨年8月に「回転寿司ユニオン」を結成。10%の時給アップを掲げ、12月に運営会社「あきんどスシロー」と団体交渉を始めた。

3月19日、東京駅近くのスシローで行われた賃上げ交渉
「募集要項に『昇給制度あり』と記されていましたが、職能給はわずか5円しか上がっていません。地方のパートさんは最低賃金に近い数字で働いている。自分の店舗は人手不足の中、1人で何役もこなすという過酷な労働です。魚を一枚一枚スライスしたり、ネタの解凍、食器の片付け、お客様対応など一人で何役もこなさなければならない。まったく割に合わない状況です」(大学4年のBさん)

アルバイトの立場ながらユニオンを結成した理由をAさんはこう述べた。

「アルバイトだって組合をつくれる。おかしいと思えば声を上げたらいい。これまで日本企業では、経営側と近い組合員による“御用組合”が何もしてこなかったから、非正規労働者が経営側にいいように使われる労働環境になってしまった。本気で戦う組合が必要なんです」

(後略