北海道新幹線の札幌延伸に向けたニセコ町のトンネル工事で、建設会社の「熊谷組」など4社でつくるグループが、コンクリートの強度を確認する試験を所定どおり実施したと、うその報告をしていたことが分かりました。

熊谷組などによりますと、北海道新幹線の羊蹄トンネル有島工区の工事で、去年からことしにかけて、コンクリートの強度を確認する試験として、土台などに流し込む前後に水分量を測定すべきところを流し込む前しか行わず、固まる前の状態をトンネルのブロックごとに3か所で測定すべきところを1か所しか行わなかったのに、所定のとおり実施したとうその報告をしたということです。

先月、鉄道・運輸機構の担当者が工事現場に立ち会い、うその報告に気づいたということで、熊谷組は理由について、「試験を担当する外部の試験員の数が足りなかったため」と説明し、「再発防止策を講じるとともに、コンプライアンス教育を再徹底し、信用・信頼の回復に全力を尽くしていく」とコメントしています。

また、鉄道・運輸機構は、トンネルの強度や工程への影響は調査中だとしたうえで、「不正があったことは誠に遺憾で、2度とこのようなことが生じないよう管理を徹底する」とコメントしています。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230503/7000057300.html