歴史的経緯から明らかなようにタンカイザリガニは外来種である。そもそも、人工的に造られた農業ため池に、陸地における移動能力の乏しいザリガニが生息しているという事実からも人間によって導入されたことは疑いようがない。
しかし、タンカイザリガニについての分類学的な混乱や、何よりもその和名に「タンカイ」と名づけられたことも背景にあり、地元高島市(今津町)は本種を地域固有の環境のシンボルとして歴史的に保護してきた[3]。
例えば、地元の中学校では、タンカイザリガニを守るために同じく外来種のブラックバスの駆除活動を実施するなど、地域一体の活動を行ってきた[4][リンク切れ]。
その後、タンカイザリガニはウチダザリガニと同種として、外来生物法により特定外来生物に指定されたことで、この淡海湖個体群をめぐる認識の違いが顕在化した。
地元にとって80年以上保護してきたザリガニが、一転して駆除対象となることは理解しがたいものであった。
そのため、北海道ではウチダザリガニの防除が進行するなか、地元の自然愛好家等の反対が強い淡海湖個体群(タンカイザリガニ)の駆除は行われておらず、対立は現在も続いている[1]。
淡海湖個体群(タンカイザリガニ)が、淡海湖、さらには周辺地域の生態系に悪影響を与えているという報告は今のところない。
しかし、外来ザリガニが生態系を様々な形(捕食・競争・感染症・寄生虫等)で破壊することは既に他の研究で確認されており、注意が必要である[1]。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/837799