台湾当局が日本産イチゴに含まれる農薬2種類を解禁へ、台湾農家は強く反発―台湾メディア

2023年5月4日、台湾メディア・中国時報電子版は、日本からの輸入イチゴの残留農薬問題について、台湾政府がこれまで使用を禁止していた2種類の農薬を認める動きを見せていることを報じた。

記事は、台湾衛生福利部食品薬物管理署が3日、「フロニカミド」と「クロルフェナピル」の2種類をイチゴに使用可能かどうかについてすでに専門家に評価を依頼しており、早ければ2週間以内に使用を認める予告を出すことになると発表したことを紹介。同署の食品課課長が「台湾ではイチゴにフロミカミドとクロルフェナピルが使われてこなかったが、日本では長年使用されており、昨年には日本の台湾交流協会から使用許可の申請があった」と語ったことを伝えた。

そして、同署の発表に対して台湾のイチゴ農家からは「われわれは国民の食の安全を守るために推奨される農薬を順守するとともに、高い基準のもとで残留農薬を管理してきた。それが今、同署は日本に迎合して2種類の農薬の検査基準を引き下げようとしている。国民の健康を置き去りにするつもりか」といった強い反発が出たとしている。

また、2009〜11年に当時の衛生署長を務めた楊志良(ヤン・ジーリアン)氏も「食品薬物管理署が先頭に立って国民のために関門を管理せず、やすやすと門戸を開こうとするのは常軌を逸した行為」と批判、台湾産農作物が残留農薬や害虫の問題でしばしば中国本土から入荷停止措置を講じられてきたことと対比し「日本からの輸入イチゴに農薬問題が発生してもその都度送り返したり廃棄したりするだけ。区域単位で輸入禁止にすることはできないのか」と疑問を呈したことを伝えた。

記事は、日本から輸入されたイチゴの残留農薬問題が取り沙汰されて以降、食品薬物管理署が昨年11月より全ロット検査を実施しているものの、「今年1〜2月に地方の衛生局が市場検査を実施したところ、かなり多くの日本産イチゴから基準を超える残留農薬が見つかった」と紹介。この状況に楊氏が「中央政府の怠慢により地方政府が見つけ出し、地方政府も怠慢なところでは民間機関が検出している。食品薬物管理署は大いに反省すべきだ」と指摘したことを併せて伝えている。(翻訳・編集/川尻)

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