性的暴行描く作品に塗料 仏パリの美術館(AFP=時事)
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【AFP=時事】仏パリの美術館「パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)」は7日、スイス人画家ミリアム・カーン(Miriam Cahn)氏の展示作品が男に塗料をかけられる被害に遭ったと明らかにした。

被害を受けたのは「Fuck abstraction!」と題する絵画作品。顔のない屈強な男性が、後ろ手に縛られたもう一人の人物に性的暴行を加えている様子が描かれている。

2月中旬から展示されていたが、暴行されているのが子どもに見えるとして批判の声が上がっていた。子どもの権利擁護団体は、児童ポルノだとして撤去を求めていた。

これに対しカーン氏は、性的暴行が「戦争における武器」として使われており、「人道に対する罪」であることを表現したものだと反論している。

男は7日、作品に紫色の塗料をかけた。その後、警備員に拘束され、警察に引き渡された。パレ・ド・トーキョーは、器物損壊と表現の自由の侵害で告訴する考えという。

関係者によると、男は高齢で、「子どもと大人の性的描写に不快感を抱いていた」。抗議団体には所属していなかった。

パレ・ド・トーキョーは作品について、カーン氏との合意に基づき、塗料をかけられた現状のまま、会期が終わる14日まで展示を続けるとしている。今回の展覧会にはこれまでに約8万人が来場している。【翻訳編集】 AFPBB News