原曲の再現という観点からも、生バンドによる伴奏は問題があった。特に10代や20代の応募者は、DA PUMPやT.M.Revolution、YOASOBI、Ado、さらには音声合成ソフトの「初音ミク」といったアーティストの楽曲を希望することが多い。

 こうした現代のヒット曲の多くは、シンセサイザーに入力した音源を自動演奏させる“打ち込み”が主流だ。これに生バンドが対応できないことが増えていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/89174f799510533c54f14017def3f468fc94d783?page=3

 しかも中村氏がシンセサイザーの奏者に聞き取りを行うと、「最近のヒット曲は打ち込みが主流のため、手弾きで再現するのは不可能な曲が増えてきている」と断言されたという。

「結局、バンドで演奏できるよう苦労してアレンジするしかありません。しかし、サンプリングされた特殊な音が楽曲の重要なモチーフだったりすると、アレンジしても似て非なる曲になります。
予選会で『この曲、YOASOBIだよね?』と首を傾げながら歌う応募者もいらっしゃいました。これでは選考の公正性に疑問を投げかけられたら反論できません」