「実は自民党員なのに」

 とても凡人にはまねできそうもないが、とにもかくにも関西では「灘高ブランド」が錦の御旗で、芦屋在住の灘高OBが続々支援を表明した。「グリコ森永事件」で誘拐された江崎グリコの江崎勝久会長(81)や、ロート製薬の山田邦雄会長(67)など、関西の大手企業トップが支援を約束。兵庫選出で自民党所属の山田賢司外務副大臣(57)の支持も受けたが、あくまで高島氏は「無所属」を貫いた。

「実は自民党員なのに、どうして党推薦をもらわないんだという声は自民支持者の中から出ました」

 そう明かすのは、地元政界に通じた自民党関係者だ。

「昨年夏ごろから自民は候補探しを始めましたが、高島さんは山田副大臣のルートで入党したと聞いています。公認候補となった方がわれわれも応援しやすい。そう彼に助言したんやけど、“無所属で出たい”とかたくなでね。やっぱり関西は維新が強い。“維新の支持者も取り込みたいんやな”と聞いたら、ニコッと笑っておった。ホンマに彼は戦略家。自民の現状も分かった上でわれわれもハメられた格好やけどね。自民とも幾つか約束を取り付けたようだし、自公など与党系市議が支える構えだから、議会運営で困ることは当面ないと思う」

 無所属の仮面を被りながら、海千山千の地元有力者たちと渡り合い、組織票もしっかり固めていたのだ。