串揚げ屋の「お通し代」が高すぎる――。そんなツイートがこのほど話題になりました。ツイートによると、お通し代は、キャベツ1皿(6人分)・合計3000円。投稿者がお店に不満を伝えたところ、「なんで説明しないといけないか?」と反論されたそうです。

たしかに、居酒屋の「お通し代」が、「1人500円」ということは、それほどめずらしいことではありません。しかし、6人分でキャベツ1皿だったり、とくに説明もしなかったりすることは、トラブルの原因のような気がします。

この店では「お通し代」のほか、「席料」として1人300円、「サービス料」として合計金額の10%が課されていたようです。ツイートの「返信」では、この部分もおかしいと指摘する声がありました。そもそも「お通し代」について、お店側は説明しなくていいのでしょうか。古川穣史弁護士に聞きました。

●「お通し」は「お店に入った時点で注文している」といえる

――まず、「お通し代」は支払わないといけないのでしょうか?

お通しは、飲食店で提供されることが慣例となっています。したがって、お店に入った時点で注文していると考えることができます。お通しの提供を拒否してもかまいませんが、そのことで入店を断られることはあるかもしれません。

――お通しが「しょうもない」ものだった場合でも、支払わないといけないのでしょうか?

まず、どんなお通しでも、食べてしまった場合、「お通し代」を支払う必要があると思います。メニューを見て頼んだときに、自分が想像していた料理と違うものが出てきても、支払う必要があるのと同じように考えるとよいでしょう。気に食わないものであれば、その時点で拒否するということは考えられます。

――今回のお店の場合、説明がなかったようです。説明義務はないのでしょうか?

大半のお店は「お通し代」について、説明しないことが多いと思います。数百円程度の「お通し代」であれば、慣習(暗黙のルール)として説明されていないと考えられます。ただ、あまりにも高額の場合などは、「信義則」からお店が説明するべき義務がある、と考えることもできると思います。

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