高知県土佐市のカフェを巡って騒動となっている件で、関係者がそれぞれコメントを発表したが、いまだ解決の糸口は見えない。

騒動は10日に「崖っぷちカフェ店長@理不尽な退去通告、私物化されたNPO法人と戦う」というツイッターアカウントが、「地域おこし協力隊として東京から高知に移住したのに、地元の有力者に従わなかったら出ていけと言われました。市役所も言う通りにしろと言います」と告発したことに始まる。

その有力者というのがカフェの入る建物の指定管理者になっているNPO法人で、その理事長から一方的な退去通告を受けたと主張。また、告発ツイートでは土佐市役所も理事長には「何も言えない」と指摘していた。

反響はすさまじく、市役所には抗議の電話が殺到し、市内で爆破や誘拐の予告メールが送りつけられるなど余波が起きている。

NPO法人は騒動になったことを謝罪する一方で、「本件をめぐる事実関係につきましては、今後説明したいと考えております」とカフェ側に反論を予定しているとした。

土佐市長の板原啓文市長(67)は市公式サイトで「SNS上で事実と異なる部分も多数あります」と告発ツイートの一部記述を否定した。

カフェ側もオーナーが騒動になってしまったことを謝罪した上で、「どうか皆様、土佐市を、高知を、嫌いにならないでください」と訴えた。

現在、カフェとNPO法人は弁護士を立ててやり取りをしており、同市も顧問弁護士と協議中。話し合いで決着するのか、法廷闘争になるのか不明だが、もう一つ注目されていることがある。

今秋に予定されている土佐市長選挙だ。現市長の板原氏は当選4回を数え、2011年の選挙から3連続で無投票再選だった。地元メディアによると、次回の選挙には板原氏がすでに出馬表明をしているだけでなく、新たな候補者が現れているという。

それは舞台プロデューサーの斎藤努氏(44)で、5月に出馬表明。ツイッターではカフェの件について「こういう時こそ市民(どちらでもなくまずは両者)に寄り添える首長であるべき」と関心を寄せていた。
https://news.infoseek.co.jp/article/tospo_1033124779176870326/
久しぶりの選挙戦となれば、カフェ問題が土佐市長選の争点として注目されそうだ。