日本経済が停滞した理由(1)
その1つの理由は、為替レートにある。
2010年ごろの時点で、日本の1人当たりGDPが高くなっているのは、この時期に円高が進んだからだ。そして、最近の時点で米国の1人当たりGDPが急に伸びているのは、ドル高が進んだことによる影響が大きい。
2000年からの期間全体を見ても、図3に見るように、円はドルに対して減価している。
したがって、為替レートの影響によって、ドルベースで見た日本の成長率が低くなっていることは間違いない。

日本経済が停滞した理由(2)
ただ、原因はそれだけではない。自国通貨建てで見ても、日本の成長率は低いのだ(図4)。
これは、日本で人口の高齢化が進んでいるために、労働力の伸び率が低いからだろうか。日本の労働力の成長率が低いのは事実だ。それは、経済全体の成長率には大きな影響を与える。
しかし、ここで考えているのは1人当たりGDPの数字であるため、労働力の伸び率が低いことの影響は緩和されている。

実際、韓国の出生率は日本よりずっと低く、労働力の伸び率も低い。それにもかかわらず経済成長率は高い。それでも日本の成長率が低いのは技術が進歩せず、企業改革、産業構造改革が進まないからだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72df91743d1d3f0ec6b2afb44146fcb59fbf3a70?page=2