「英語と中国語の覇権争い」10年後の勝者はどちら
中国語が「世界共通語」になる日はやってくるか

中国語ができると「何かと得する」という今の世界の現実

上乃:五味さんは中国での駐在経験もあり、中国語を仕事でも使っていますけど、ご自身が普段の生活でメリットを感じることはありますか。

五味:やはり中国語は、世界で最も人口の多い国の1つである中国で話されているだけに、思わぬところでメリットを感じたりします。

以前に台湾に行ったとき、バスを待ちながら中国籍の妻と中国語を話していると、白タクの運転手が近づいてきて、「大陸から来たんでしょ?」と聞かれました。「格安で現地を案内しますよ」というのです。

中国は経済力と軍事力にものを言わせ、傍若無人に振る舞います。特に台湾に対しては、ことあるごとに圧力をかけてきます。日本では台湾有事がいつ起きるのか関心が高いですね。

当然、台湾では中国本土政府への反発は強烈ですが、中国人観光客は気前良くお金を使うので、台湾ではその経済力に期待する人が多いのも事実です。

あくまでも個人の体験レベルでの話ですけど、今の時代、中国語をしゃべれると、得をすることが多い世の中になっているようです。その点、英語を話すのは当たり前になっているので、ものすごく高いレベルでもない限り、そこまでのメリットはないような気がします。旅先で中国語ができると〝別の世界〟が見られるというのは、面白いと思いましたね。

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