ウクライナ出身の芸術家イリヤ・カバコフさん死去 世界文化賞受賞

絵画やテキスト、オブジェ、音などを用いて空間を作品化する「トータル・インスタレーション」で知られ、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した芸術家、イリヤ・カバコフさんが27日、死去した。89歳だった。カバコフさん夫妻の財団が同日公表した。

1933年、旧ソ連(現ウクライナ)生まれ。モスクワ芸術大で学んだ後、挿絵画家に。芸術表現の自由が制限されていた旧ソ連時代に、仲間の家とアトリエを拠点に30年近く、「地下芸術活動」を続けた。

85年にスイス・ベルン市美術館で開かれた個展が反響を呼び、ドイツで学ぶ機会を得た。89年からは妻のエミリアさんとニューヨークを拠点に共同で制作を始めた。

日本には夫妻で度々訪れ、個展を開催。新潟県の「大地の芸術祭」にも参加し、作品が展示された。

2008年、第20回世界文化賞(彫刻部門)を夫妻で受賞した。

https://www.sankei.com/article/20230528-YE3PU2J5LFPOFEWHT36EJNLPOM/