G7広島サミットをどう評価するか─米国で暮らす被爆者・笹森恵子さんに聞いた

核軍縮が大きなテーマとなり、核保有国首脳も原爆資料館を訪れたG7サミットを、被爆者はどう見たのか。13歳の時に被爆し、現在はロサンゼルスに暮らす笹森恵子さん(90)に、FNNワシントン前支局長のダッチャー・藤田水美氏が聞いた。

「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれた原爆死没者慰霊碑に各国首脳が献花する歴史的なシーンで幕を開けたG7広島サミットは、核軍縮が大きなテーマとなった。また、核なき世界を目指す一方で、米国の核の傘に守られている日本の難しい立場も浮き彫りにした。

電撃訪問したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が原爆資料館で残した「現代の世界に核による脅しの居場所はない」とのメッセージは、ロシアによる核の脅しに屈しない姿勢を示したものだ。広島の原爆投下から75年以上たった今なお、世界は核の脅威にさらされていることを我々にあらためて思い知らせた。

日本は被爆の悲惨な経験から、半世紀以上にわたって核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とうたう非核三原則を堅持してきた。しかし、核攻撃をちらつかせるロシアや、核兵力を増強する中国や北朝鮮に囲まれた日本が、これらの脅威に対峙する手段として核抑止をどう捉えていくべきかが今突きつけられている。

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