映画『スラムダンク』が中国人を感動させる本当の理由 

興収120億円超
6/2(金)


中国での観客動員数が1700万人を超えた映画『THE FIRST SLAM DUNK』。
なぜ中国で『スラムダンク』にこれほどまで人気が集まるのか。
1990年に中国で生まれ、日本で育った、中国現代カルチャー研究者の
楊氏が考察する(「文藝春秋 電子版」より一部を転載)。


 映画『THE FIRST SLAM DUNK』は4月15日に中国の最高学府である
北京大学で封を切られた。場所は映画館またはホールなどではなく、
体育館である。

 27メートルもの長さの巨大スクリーンのまえにバスケットボールの
コートが設えられ、その上に湘北高校のバスケットボール部5人の
巨大ユニフォームが掲げられていた。

 4000人もの観客がそこで映画を鑑賞し、映画が終わったあとも、
テレビアニメ版のエンディングテーマ『世界が終わるまでは』を
大合唱した。それはもはや映画の鑑賞ではなく、スポーツ観戦や
あるいはコンサートに近い何かだった。実際、そういう感想を
抱いた人が多いようだ。また、『スラムダンク』ファンの有名人
――映画監督、俳優、タレントなど――も多く駆けつけた。

 4月20日に全国上映されたが、4月15日の時点のチケットの
予約人数は99万人で、興行収入は4000万元を超えていた。
そして、現在(5月中旬)では観客数は1720万人、
興行収入6.45億元(約128億円)を超えている。


 中国における最大のレビューサイトである「豆瓣 douban」では、
この映画に対する評価数は26万を超えており、コメント数も12万件以上、
さらに長いレビューは2000件を超えている(5月28日時点)。
グッズやフィギュアの売れ行きも絶好調である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bc0dc0a524e9faea809fc1dfa68b63cdb3331f58