54億ドルで買った会社を1ドルで売り、78億ドルで転売される…東芝の大失敗は日本の縮図か=田中徹郎
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「54億ドルで買った会社を1ドルで売り、買った側はその会社を78億ドルで売る」……こんなバカな話があっていいものでしょうか。

東芝は2006年に原子力発電を手掛けるウェスティングハウス(WH)というアメリカの大手企業を買収しました、買値は54億ドルでしたので、当時のレートで6,000億円ほどでした。

2011年に起きた東日本大地震の影響もあり、WH社は2017年に破綻しました、東芝は保有していたWH株をアメリカの投資会社に売りましたが、その売価は1ドルでした。

その後WHは、カナダのファンドの元で原子力関連サービスに注力し、企業価値を高めました。

そして昨年10月、カナダのウラン生産会社カメコがWH社を買いました。その時点の買値は78億ドル(当時のレートで1.16兆円)です。

つまり、東芝は6,000億円で買ったWH社を11年後に1ドルで売り、1ドルで買った側の投資会社はWHを再生して5年後に1.16兆円で売ったことになります。

一方で2018年に中国の会社(ハイセンス)に売ったテレビ事業(レグザ)は、その後順調に販売を伸ばし、昨年、日本国内のシェアNo1でした。

2016年に中国の企業(美的集団)に売った白物家電事業も黒字化し、順調に売り上げを伸ばしているようです。