ウクライナ停戦案を突然披露 インドネシア国防相、批判も アジア安保会議

 【シンガポール時事】インドネシアのプラボウォ国防相は3日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)の討論会席上、ロシアの侵攻を受けるウクライナ国内に非武装地帯を設ける停戦案を突然披露した。

 ただ、会場から疑問の声が相次いだほか、ウクライナもこれに否定的な見解を示した。

 プラボウォ氏は韓国の李鐘燮国防相、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)とともに討論会に参加。その席でロシアとウクライナが現在の位置で即時停戦し、戦線からそれぞれ15キロ圏内を非武装地帯とすることを提案した。さらに、国連軍を非武装地帯に派遣し、紛争地帯で住民投票を行うべきだとも述べた。

 しかし、会場からは「ロシアの侵攻前は疑いの余地のないウクライナ領土だったのに住民投票をやるのか」「あなたの停戦案では紛争の凍結につながらないのではないか」などと質問が相次いだ。プラボウォ氏は「問題を解決したいのだ。われわれも何度も侵攻の犠牲となってきた」と説明した。

 シャングリラ会合に出席しているウクライナのレズニコフ国防相はこの停戦案について問われ、「ロシアによる停戦案のようだ」と否定的な見解を示した。プラボウォ氏と事前の調整はなかったという。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/4e4fd92a2ceea85ebf9c0aadf40d825256d51526