1980年代くらいまで、学校で起きている校内暴力や非行といったことが大きな社会問題となっていた。これによって町全体の治安が悪くなり、暴行死のような事件が起きていたのである。

国はそうしたことに危機感を抱き、これらの問題行動を抑えにかかった。学校に警察官を送り込んだり、暴走族の壊滅作戦を決行したり、更生の難しい少年を積極的に少年院に送ったりしたのだ。

これが功を奏して、社会から不良文化がなくなっていき、子供たちの間で表立って悪事を働くのがかっこいいという風潮が薄らいだ。だが、時代の変化とともに子供たちは別のツールを手にすることになる。
ゲームやインターネットだ。

子供たちの遊び方は一変した
昔は不登校になって家にひきこもっても、することがほとんどなかった。部屋の本棚に並んでいる漫画を読むか、昼寝をするくらいしかなかったのだ。だから、不良となって徒党を組んで悪さをする者が大勢いた。

だが、ゲーム機やインターネットの登場によって、子供たちの娯楽の幅が急激に広がった。スマホを手に取れば、
半永久的にゲーム、SNS、動画などを楽しむことができるし、ネットフリックスやAmazonプライムに接続すれば好きなだけ映画やドラマを見ることができる。

こうなると、子供たちは無理して不良グループに身を投じるより、安全な部屋で自分だけの世界に没頭する方がいいと考えるようになる。そこに学校の問題、
家庭の問題、子供自身の特性、社会の風潮といった無数の要因が絡み合い、ここ十数年で急激に不登校の生徒が増えていくようになったのである。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7a6e14d22cb79ec7b3278c97e83aaa4c0d2cde2a