https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75485?page=4
各国に割り振られた2024年の生産枠を見てみると、投資不足で実際の生産が目標に追いついていないナイジェリアやアンゴラなどアフリカ諸国が引き下げられた。サウジ主導の措置だとされ、減産を余儀なくされたアフリカ諸国は「将来に向けた投資が呼び込みにくくなっている」との不満がくすぶっているという(6月5日付ロイター)。

 嫌われ者になることも厭わず、原油価格の上昇のための合意を取りまとめたサウジだったが、この努力は報われたのだろうか。

OPECプラスの合意を受けて、米WTI原油先物価格は週明けの時間外取引で一時、1バレル=75ドル台と1カ月ぶりの高値を付けた。だが、その直後に上げ幅の大半が帳消しとなってしまった。サウジが目指していた「1バレル=80ドル超え」という狙いは1日で頓挫してしまった感が強い。

 アナリストの間では「原油価格は今後上昇する傾向にある」との見方が出ているが、筆者は「原油価格の下落傾向は変わらない」と考えている。