【社説】青年の3分の1が子どもを産みたくないという現実=韓国

数日前に韓国の満25~39歳の未婚者と子どものいない既婚者の男女のうち34.3%に出産の意向がないという調査結果が出た(新韓ライフ調べ)。満25~29歳の女性に範囲を狭めると52.2%に上る。子どもがいない共稼ぎ夫婦の「DINKS族」もやはり増加している。韓国統計庁によると、結婚5年目までの子どもがいない夫婦の割合は2016年の36.3%から2021年には45.8%に増加した。同じ期間に新婚夫婦の平均子女数は0.8人から0.66人に減った。

このように若い夫婦が出産を敬遠する理由は何か。男性は過度な育児・教育費用(47.5%)を、女性は仕事と育児を並行しにくい社会環境(59.6%)を挙げた。実際に先月統計庁が発表した2022年の私教育費総額は26兆ウォンで前年より10.8%増え過去最高を記録した。女性家族部の調査では女性の42.6%が出産と養育で平均8.9年の「キャリア中断」を体験することが明らかになった。

そのため最初から「非婚」を選択する若者も多い。新韓ライフの調査では未婚男女の40.4%が結婚の意向がないと答えたが、25~29歳の場合、女性の非婚意志が52.6%で男性の21.6%より2.4倍水準で多かった。非婚の最も大きな理由は結婚費用の増加(男性38%、女性31%)だった。非婚と少子化いずれも経済的負担が最も大きい要因として作用した。

税制優遇の側面でも子どものいる世帯に有利な点はあまりない。経済協力開発機構(OECD)によると2人の子どもがいる片働き世帯の労働者の租税負担は20.4%で独身世帯の24.2%と3.8ポイントしか違わない。こうした差はOECD加盟38カ国のうち下から7番目で、全体平均の8.9ポイントにも満たない水準だ。

ほとんどの先進国では子どもを産めば相対的に多くの租税優遇と現金福祉を提供するが、韓国はそうではない。婚姻と出産を増やすには韓国も子持ち世帯の恩恵を増やさなければならない。結婚時の税額控除や婚姻費用に対する贈与税非課税特例などを検討してみることができる。フランスのように子どもの数が多いほど加重値を付与して税率を低くする案も考えてみなければならない。

事実婚関係の同居夫婦と非婚出産に対する制度もやはり改善する必要がある。統計庁によると「結婚せずに同居できる」と答えた割合が2012年の45.9%から2022年には65.2%に増えた。非婚出産に対する肯定的な回答も増える傾向だ。しかし法的に夫婦でなければ産休や育休、不妊恩恵など何の支援を受けることはできない。

最近の20代が結婚どころか恋愛自体をしないことも深刻な社会問題だ。延世(ヨンセ)大学の「2021ソウル性報告書」によると、20代男性の42%が過去1年間に一度も性関係を持たなかったと答えた。60代男性の29%よりも多い割合だ。2022年の人口保健福祉協会調査では19~34歳男女の65.5%が恋愛をしていないと答えたが、今後でも恋愛する意志があると明らかにした男女はこの中で半分にとどまった。

青年が恋愛すらしない社会は死んだ社会と代わらない。政界が連日青年を優先すると叫ぶが、むしろ選挙過程でジェンダー対立だけあおり、男性嫌悪と女性嫌悪を深くさせた。政府と与野党がひとつになって若い層の押さえ付ける雇用の現実を改善し、経済成長の停滞で縮んだ社会的機会構造が再び広くなるよう額を突き合わせなければならない。出産・養育による各種費用と社会的ハードルを低くすることはもちろんだ。そうしてこそ大韓民国に未来がある。

https://s.japanese.joins.com/JArticle/305363