なぜ線路の脇には砕石が敷き詰められているのか?

鉄道の線路を見てみると、レールや枕木を囲うように砂利や砕石が敷き詰められていることに気づきます。鉄道になじみのない人にとっては「どうしてあるのか」という疑問がわきそうなこれらの砕石(バラスト)について、鉄道会社のAlphaRailが解説しています。

線路のレール下、あるいはレールの脇には、細かく砕かれた石がほぼ全線にわたって敷かれています。この石は、主に枕木やレールを水平に保ち、枕木のずれを防ぎ、植物の生育を抑え、線路の浸水を防ぐ役割があります。

バラストは、非常に粗く、鋭角的なのが特徴です。もし川底や海にあるような滑らかな石を使うと列車が通過するときに転がったり滑ったりする可能性がありますが、鋭利な石なら互いにぶつかり合うことで固定されるので、枕木やレールを効果的に安定させることが可能。

長い線路を敷く際には、軌道を平行に、均一に保つことが重要となります。そこで使われるのがバラストや枕木。伝統的には木材が使われていますが、交通量の多い現代の鉄道路線では合成樹脂や鋼鉄、プレストレスコンクリートなどの人工的な素材が使われることが多くなっています。

バラストは枕木やレールを支えるように敷かれ、列車が通過するたびにわずかに動くことでレールを水平に保ちます。しかし、バラストは汚れたり、荷重により細かく砕かれたりしてしまうため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

AlphaRailは「バラストは何世紀にもわたって使用されています。バラストがなければ、鉄道は列車の重量や膨張・収縮の影響に耐えられません。今度、鉄道の近くに行ったとき、石がゴロゴロしているのを見たら、目的地まで安全に運んでくれるバラストの役割に、もっと尊敬の念を抱くことでしょう」と締めくくりました。

https://gigazine.net/news/20230611-railway-tracks-have-crushed-stones/