前田大然が奥深さを知ったポジション 新たな目標「もっとあの場に」

 歴史的な快挙へと導きかけたゴールから半年が経った。

 「もうあんまり覚えていなくて。こうやってインタビューで聞かれた時に、思い出すっていうくらい。ほんまに遠い昔のような感じです」

 6月はじめ、オンライン取材に応じたサッカー日本代表FW前田大然(25)=セルティック=は関西弁を交えながら、懐かしそうに振り返った。

ベスト16敗退で涙

 昨年12月5日、ワールドカップ(W杯)カタール大会の決勝トーナメント1回戦、クロアチア戦。前半43分、CKからつないだボールをゴール前で押し込み、先取点を奪った。しかし、チームは後半に追いつかれてPK戦の末に敗退。史上初のベスト8入りを逃した。前田は人目をはばからず、ピッチで涙を流した。

 「あの負けからもう次のW杯に向けて全選手がやっていると思う。引きずっても先に進めない。戦術通りに動けるのは日本の良さだけど、もっと個を伸ばさないと勝てないと感じた。現実を受け止めて、チームで何ができるかというのを考えている。W杯のことはもう忘れていると言ったらあれですけど、いい意味でクリアにしてやっていますね」

 W杯の後もセルティックで好調を維持した。スコットランド1部リーグとカップ戦を合わせて3冠を達成。リーグ戦では今季8ゴールを記録した。

スピードを生かすカギは「止まる」

 「アシストとゴール、ともに2桁取りたいと言っていたけど、届かなかった。まだまだかな」と反省しつつ、「今までと違うことに取り組んできた。勝ち負けやゴールよりも、そっちが印象に残っている」と手応えも口にする。

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