熊谷俊人(千葉県知事)
@kumagai_chiba
おはようございます。新型コロナウイルスについて、22週の県全体の定点当たり報告数は前週の5.25人から増加し、6.66人でした。入院患者数は横ばいで、重症者数も含めて低い水準となっています。

抗体保有率が一定水準に達するなど集団免疫を社会全体で獲得するまでは感染の波を繰り返すことになりますので、「第●波が来た」と怯えたり、感染者数が増えること自体に一喜一憂する必要はありません。感染者が増えなければ、ワクチン接種と合わせての全体的な抗体保有率の上昇とその効果の維持はできないのですから。
大事なことは医療がひっ迫しているか否かであり、今はその状況にはありません。

日本社会は「感染しない、させない」意識が強いのですが、ワクチン接種と自然感染による全体的な抗体保有率の上昇、経口薬、オミクロン株などによって状況は変わっており、5月8日の5類移行に伴い、正式に重症化リスクのある方を感染から守る観点からの対策に切り替わっています。つまり、「重症化しない、させない」、ですね。

保育所に預ければ、しばらくは様々な感染症をもらい、家族も次々と感染症にかかります。保育所に預けられていない子は、小学校に入学した後に同じように感染症をもらってきます。
だからといって保育所や小学校に通わせない、という判断にはなりません。集団生活をする以上、どこかで感染症にかかり、免疫を獲得していくプロセスが必要だからです。

もちろん、一気に感染が広がっては集団生活そのものが機能しなくなったり、医療に負荷がかかりますので、症状がある場合は登園・登校しない、換気や手指消毒など基本的な感染対策を行いながら、一定の感染を許容し、緩やかに免疫を獲得していくことが望まれます。
そういう意味で日本において4月が保育所や小学校など集団生活の起点となっているのは、医療がひっ迫しやすい冬の時期が落ち着いた後で、かつ次の冬が来るまでに緩やかに免疫を獲得できるという観点で、ある種、合理的かもしれません。
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