「金融緩和策で国民生活どん底」 昨年の急速な円安、日銀に対応求める声が相次いでいた 情報公開請求で判明
2023年6月6日

円安が急速に進行した2022年、国民から日銀に対し円安への対応を求める声が急増していたことが分かった。円安による物価上昇が
国民生活に大きな負担となり、強い関心を集めていたことがうかがえる。(大島宏一郎)

本紙の情報公開請求で日銀が開示した記録で明らかになった。寄せられた「円安への対応を求める声」など為替関連の意見や要望は
月平均では21年の5件に対し、22年は7倍超の38件に上った。件数の推移を見ると、1~3月期は月平均で27件だったが、円安が進み始めた
4~6月期は46件に増加。1ドル=140円台を突破した9月に101件に達した。

昨年の円相場は、インフレを抑えようと利上げを急ぐ米国と、金融緩和策の継続で金利を低く抑える日本で金利差が拡大。
円売り・ドル買いの動きが止まらず、22年9月と同10月に政府・日銀は円買いドル売りの為替介入を迫られた。
日銀が開示した記録からは、円安による物価高を不安視する声が目立つ。「とうとう(対ドルの円相場が)141円になった。
生活が脅かされている」「金融緩和策の影響から物価が上がり、国民の生活はどん底である。国民を苦しめることをしないでほしい」
との訴えが寄せられ、円安を誘発する緩和策の見直しを求める声もあった。
一方で「日本が体力を回復するまで金融緩和を続けてほしい」として日銀を支持するものもあった。