値上げ拡大、映画などサービスにも 食品はや3万品目

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人手不足や電気代の上昇などを背景に値上げの動きがサービス業に広がっている。日本通運は6月から引っ越し料金を一部引き上げる。映画館や家事代行でも値上げが広がる。

食品では2023年に値上げする予定の品目が7月にも3万を超え、22年通年を上回る。今後も家計負担が一段と増しそうだ。

日本通運は6月1日から、単身パックで家具や洋服などを入れるボックス料金を1基あたり8800円引き上げる。東京―大阪間では3万4100円から4万2900円になる。燃油価格のほか、人件費などが上昇しているためだ。

人件費の上昇がサービス業の料金を押し上げている。

家事代行のベアーズ(東京・中央)は6月1日から、定期顧客の8割以上が利用する「家事代行デラックスプラン」の税抜き料金を1時間3300円から3800円に15%上げる。

契約中の顧客は9月から新価格となる。値上げは約18年ぶりだ。

高橋ゆき副社長は「18年間で人件費が1.5倍になった。

従業員のさらなる待遇改善のため価格転嫁が必要だ。国の少子化対策の一環で家庭支援にも関心が集まると期待しており、従業員の採用や教育の強化につなげたい」と話す。

電気料金の上昇などを受けてTOHOシネマズと東映は映画の鑑賞料金を一部引き上げる。

ともに一般料金は100円高い2000円になる。

フィットネスクラブでも値上げが広がる。

コナミスポーツは月4回プラン(カテゴリT)の料金を6050円から6380円にする。

SMBC日興証券は5月の消費者物価指数(CPI)が変動の大きい生鮮食品を除く総合指数で前年同月比3.2%上昇すると予想する。

年末にかけて伸び率は縮小すると予測するものの、牧野潤一チーフエコノミストは「長期的にはサービス価格が物価上昇要因となり得る」と指摘する。

人手不足を背景に人件費比率の高いサービス業に物価上昇圧力がかかるとみている。