「核の恫喝」 米欧との埋めがたい溝 プーチン氏、過激化する発言
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ウクライナ侵攻を進めるロシアのプーチン大統領が16日、隣国ベラルーシへの戦術核兵器の配備が始まったとし、年末までに完了すると明らかにした。ウクライナや同国に支援を続ける米欧に「核の脅し」で威嚇したもので、国際社会が強く反発するのは必至だ。

 プーチン氏はサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで、「最初の核弾頭がベラルーシ領に搬入された」と述べた。ソ連崩壊後、ロシアが国外に核兵器を配備するのは初めて。

 ロシアの核戦力には「競争の優位性がある」とも誇り、今回の配備はロシアにとっての抑止力だと強調。「我々の戦略的敗北を考える人々が現状を忘れないようにするためだ」と主張した。

 核兵器をちらつかせた恫喝(どうかつ)により、ロシアへの圧力を強めるウクライナや米欧を牽制(けんせい)し、ウクライナへの軍事支援の一層の拡大を防ぐ意図もあるとみられる。

 ベラルーシへの戦術核兵器の配備は、プーチン氏が3月、ベラルーシ側の求めに応じて「合意した」と発表した。ベラルーシは、ロシアと「連合国家」を名乗る同盟国。プーチン氏と近いルカシェンコ大統領も、戦術核の配備は自国の防衛に役立つとしている。

 ただ、ルカシェンコ大統領が先月、核弾頭の搬送が始まったと述べた一方、プーチン氏は今月、戦略核の保管施設が完成する7月以降に配備すると話したばかり。発言への信頼性が揺らぐ形となった。

 一方、フォーラムでは、プーチン氏による根拠が明らかでないウクライナ批判がさらに過激さを増した。