記事作成時点で出回っているスマートフォンのバッテリーを交換するには、専門ショップへの依頼や専用工具の準備が必要です。新たに欧州議会でバッテリーに関する法案が可決し、将来的に「スマートフォンのバッテリーをユーザー自身で交換可能にする」という設計が各メーカーに義務付けられる可能性が浮上しました。

いわゆるガラケーでは裏面のフタをパカッと開けるだけでバッテリー交換が可能だったため、充電を忘れがちなユーザーや通信量の多いヘビーユーザーは「交換用のバッテリーを持ち歩いて、バッテリーが切れたら交換する」という運用方式でバッテリー切れの影響を最小減に抑えることができました。また、登場初期のスマートフォンには「背面がパカッと開く」という設計を採用しているものも多く存在しており、バッテリーを容易に交換できました。

しかし、「背面がパカッと開くスマートフォン」は徐々に数を減らし、バッテリー交換の困難な機種が増えました。記事作成時点で販売されているスマートフォンのほとんどは専用の工具がなければバッテリーを交換できず、「バッテリーが切れたらバッテリーを交換する」という運用が不可能になった他、バッテリーが劣化した際の交換も難しくなっています。

そんな中、2023年6月14日に欧州議会でバッテリーの持続可能な利用に関する法案が賛成多数で可決しました。EUは法案の成立によって予想される主な措置の1つに「持ち運び可能な家電製品のバッテリーは、ユーザーが容易に取外して交換できるようにする」というものを挙げており、EU圏内にスマートフォンを出荷するメーカーには将来的にバッテリー交換を容易にする義務が生じる可能性があります。

https://gigazine.net/news/20230619-eu-phone-battery/