「急いで、時間ない」信号無視を指示し死亡事故 助手席の上司に実刑
金沢市増泉1丁目の県道交差点で昨年6月、車を運転中に赤信号を無視し、男性をはねて死亡させたとして、自動車運転死傷処罰法違反（危険運転致死）の罪に問われた建設会社従業員2人の裁判員裁判の判決公判が21日、金沢地裁であった。
野村充裁判長は、車を運転していた長谷川玲子被告（47）=同市=に懲役6年（求刑懲役8年）、助手席に同乗していた上司の寺崎太尊被告（31）=石川県野々市市=にも懲役6年（求刑懲役10年）を言い渡した。
事故は昨年6月11日午前7時10分すぎに発生した。判決によると、長谷川被告が乗用車を運転中、助手席の寺崎被告から「止まらんでいいから」「早く、急いで、時間ないから」などと指示され、赤信号を無視して交差点に進入。自転車で横断中の金沢市内の男性（当時67）をはねて死亡させた。
検察側は寺崎被告について、実行犯と同等の責任がある「共謀共同正犯」として起訴し、懲役10年を求刑。運転者の長谷川被告にはそれより軽い同8年を求刑していた。石川県警の逮捕容疑は長谷川被告が危険運転致死、寺崎被告は同教唆だった。
判決前、亡くなった男性の遺族は弁護士を通じ、「どのような判決が下っても、夫・父は生き返ることはありません。私たちの変わってしまった生活が良くなることもありません。命を奪った二人が自分のしたことと向き合い、真摯（しんし）に受け止めることを願います」などとするコメントを発表した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/87936f59b95e90f149fd22edffc24e4fe378fbea
