秋田のクマ人身事故現場にあった…米ぬか えさか?誰かがまいた? 事故誘発した可能性

2023年6月22日 6:00

 秋田市太平山谷の林道で5月9日に近くの男性(76)がクマに襲われて大けがを負った事故で、現場付近にクマが好む米ぬかが投棄されていたことが分かった。クマをおびき寄せるために人為的にまかれたとみられる。秋田県自然保護課の担当者は「米ぬかが事故を誘発した可能性がある」と指摘する。

 自然保護課は事故翌日に現場を検証し、林道脇の地面に米ぬかがまかれているのを確認した。さらに近くにカメラのようなものも見つかった。

 県や市が実施する個体調査とは関係なく、同課の担当者は「手がかりがなく、誰が置いたか分からない」と困惑する。

 被害に遭った男性によると、1週間前に米ぬかはなく、襲われた当日の入山時に初めて見つけた。男性は「人が通る場所にわざわざクマをおびき寄せるような行為で、命に関わる問題だ」と危険性を強調した。

 男性は長年同じ場所で山菜を採っており、入山時には音を鳴らし、クマの出没しやすい朝晩を避けて行動するなど注意を払ってきた。「次の被害者が出る前に自治体と警察に調査してほしい」と訴える。

 別の男性住民によると、同じ地区の他の林道にも昨年春から米ぬかとカメラが置かれている場所があり、今回の事故後にカメラだけがなくなっていたという。「早く米ぬかを撤去してほしい」と不安そうに話した。

※略※

https://kahoku.news/articles/20230621khn000090.html