冷夏予想が一転、今夏猛暑に? エルニーニョ発生も、複雑にからみ合う三つの「異変」

 世界に異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」が4年ぶりに発生した。日本では一般的に冷夏になりやすいとされるが、今夏は西日本などで猛暑になりそうだという。なぜなのか。背景には、太平洋からインド洋にかけて複雑にからみ合う三つの「異変」があるらしい。

【イメージ図】今夏の海面水温や大気の予測


 南米沖の海面水温が高くなるエルニーニョ現象は、数年おきに発生する。フィリピン付近では逆に水温が低くなるため、日本列島は夏の高気圧の張り出しが弱まり、低温になる傾向が強い。気象庁によると、今年春に発生したとみられ、秋まで続く可能性が高い。

 ただし、同庁が20日に発表した3カ月予報(7~9月)は「冷夏」の予想でなく「猛暑」の恐れだった。近畿地方の平均気温は「平年より高い」確率が50%。「平年並み」(30%)「平年より低い」(20%)を上回った。

 その理由は何か。

 ■47年ぶり珍事

 エルニーニョでは通常、南米をはじめとする熱帯域で暑くなる。ところが、今回は「南米などにとどまらず、広範囲に大量の熱量を放出している。その影響が日本にも及ぶ」と同庁。その勢力の強さを「スーパーエルニーニョ」と表現する専門家もいるほどだ。

 さらに猛暑をもたらす要因があと二つ。一つは、この冬まで続いていた「ラニーニャ現象」の影響がまだ残っていること。

 ラニーニャは、エルニーニョとは逆に南米沖の海面水温が低くなり、フィリピン付近では高くなる状態をいう。そのため、積乱雲が活発に生み出されて、日本付近の高気圧の張り出しにつながり、夏は暑くなることが多い。

 冬がラニーニャだった直後の夏にエルニーニョが発生しているのは1976年以来、47年ぶりの珍事という。

 もう一つは「正のインド洋ダイポールモード現象」の発生が見込まれることだ。聞き慣れないが、これも数年おきに現れる現象で、インド洋西側の海面水温が東側より高くなる。ラニーニャと同じく、フィリピン付近で積乱雲を多く生み出すため、日本に高温をもたらしやすい。

■予測困難

 気象庁異常気象...

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